サービス開始にあたり
WATNEYは、webで経営学を(メインに、社会科学を広く)学ぶことができるサービスです。
経営学ですから、実際の経営者の方に、実際の経営で活用していただける知を提供したいと考えています。
ですけれども、「明日からすぐ使える知識」や「この公式に当てはめれば経営上の問題は解決します」といったものは、あまり多く提供できないと思います。
経営上の問題解決に使える、「レシピ」「公式」「答え」といったものを欲しがる人が多くいることは分かっているのですが(それに、あればもちろん僕も欲しいと思うんですが)、おそらくそういったものは、少なくとも経営学界隈には、あまり多くは存在しないような気がしています。
・夕食に肉じゃがを作る→「肉じゃがのレシピ(公式、答え)」をさがす
・羽生善治さんと将棋を指す→「羽生善治さんに将棋で勝てるレシピ(公式、答え)」をさがす
上は上手くことが運びそうですが、下は上手くいきそうな気があまりしません。
どちらかというと、経営学を学ぶときに多くの人がおちいりがちなのが、下のような状況な気がしています(とくに経験豊富で優秀な方ほど、そうなりやすい気がしています)。
経営も将棋と似ているところがあって、「相手がいる」ということがありますよね。
相手がいるので、「こうすれば絶対こうなる」ということが言いにくいんです(しかも、経営だと、お客さんや同業他社さんなど、色々たくさんの関係する人々がいます。たぶん将棋の対戦相手よりもたくさん)。
ですので、「羽生善治さんに将棋で勝てるレシピ(公式、答え)」をさがして、「羽生善治さんに将棋で勝てるレシピ(公式、答え)」が無いなら、そんなのまったく役に立たないよ、といった考え方ではない方がいいと思っています。
それよりも、「まあ、羽生善治さんに将棋で勝てるかは分からないけれども、将棋を一緒に指しながら考えていきましょうよ。少なくとも今よりも強くなるための方法はありますし、それになにより、将棋を指すってすごく楽しいことじゃないですか」といった姿勢でわれわれはおりますので、これから一緒に学んでいくことができれば、とてもうれしく思います。
株式会社 解ける問題
長地 一紘